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最近のがん臨床研究から気になったこと(SASも使ってます)
2010年02月05日
カテゴリー:ライフサイエンス
臨床研究グループの江本和浩です。
久々、ブログをアップいたしました。
どうぞ本年も宜しくお願い致します。
今回は少し専門的な話になりますが、少々気になりましたのでがんのPhaseⅡの臨床試験の症例数について触れてみたいと思います。
さて抗がん剤の臨床試験の開発といえば、第Ⅰ相試験でがん患者さんを対象に安全性、忍容性(最大耐用量)を調べ、第Ⅱ相試験ではターゲットとなる癌腫の患者さんに対し、RECISTと呼ばれる評価基準を用いてそのがんが小さくなったかどうかの効果と適用量、第Ⅲ相試験では既存の標準治療とのランダム化比較試験により生存期間、生存率を比較します。
当然、それぞれの試験にはその目的に沿った症例の数というものがありますので、通常で第Ⅰ相で数例~20数例、第Ⅱ相で20例~100例前後、第Ⅲ相では比較する群同士の差を検出するため数百例ということなります。
このオーソドックスな開発の流れの中で、第Ⅱ相試験の場合、ここでの目的は単アームでの抗腫瘍効果(奏効率)になりますので、母比率の検定を行い、既存の治療(最低限の割合)を閾値奏効率、その被験薬自体の望める奏効率を期待奏効率として2項分布に照らし合わせ、期待奏効率の信頼区間の下限が閾値奏効率を超えるように(これを80%超の確率で、これが検出力です)設定します。
信頼区間の幅は、有意水準を両側5%とすると95%信頼区間、片側5%では90%信頼区間で推定することになります。
さてさて最近みた臨床研究(JGOG1066)で、この単アームでの第Ⅱ相試験で生存時間系のエントポイントを用いた臨床研究があったので紹介します。
この臨床研究の主要エンドポイントは2年無増悪生存割合で、設定症例数は70例でした。(期待割合60% 閾値割合40% 登録期間2年、追跡期間2年、有意水準両側5%、検出力90%)
例数の計算式ですが、ある点を基点とした割合になりますので、単純には同様の計算式が考えられ計算することが出来ます(正確な方法で最少例数:68例)が、生存時間による計算と打ち切りの影響が考えられるのでこれを考慮した方法として、この症例数を用い指数分布を使ったシミュレーションデータにより、生存時間の信頼区間の計算はGreenwoodの公式に従うので、そこで算出された下限が2年閾値無増悪生存割合40%を超える確率が安定して80%を超えているかどうかを確認するやり方です。
これをSASプログラム(V9以上)で記述すると以下のようでしょうか。
/* Power プロシジャで単アームの母比率検定の検出力確認 */
proc power;
onesamplefreq test=exact
sides =2
alpha=0.05
nullproportion=0.4
proportion=0.6
ntotal=68
power=.
;
run;
/* ↓有意水準両側5%、68例で90%以上の検出力が確認されました */

SAS1
/* 70例で10000回シミュレーションデータの作成(2年超えは打ち切りとする) */
data exp;
r1=-log(0.6)/2;
n=70;
do i=1 to 10000;
do j=1 to n;
t=ranexp(5963)/r1;
censor=1;
if t > 2 then do;
t=2;
censor=2;
end;
output;
end;
end;
run;
proc lifetest data=exp outsurv=exp1(where=(SDF_LCL ne .)) alpha=0.05 noprint;
time t * censor(2);
by i;
run;
proc sort data=exp1 out=exp2(keep=i t _censor_ SDF_LCL);
by i SDF_LCL;
run;
proc sort data=exp2 nodupkey;
by i;
run;
/* 2年無増悪生存割合の95%信頼区間(Greenwoodによる)下限データの閾値超えの集計 */
data exp2; set exp2;
if _censor_=0 & SDF_LCL <= 0.40 then power=0;
else power=1;
run;
proc freq data=exp2; tables power; run;
/* ↓同様に90%以上の検出力が検証されました */

SAS2
ちょっとしたことですが、このような事が気になったりします。
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